視覚障害者に働く場を 「東京ヘレン・ケラー協会」が鍼灸治療院開設

視覚障害者に働く場を 「東京ヘレン・ケラー協会」が鍼灸治療院開設

 

 視覚障害のあるあん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師を養成してきた社会福祉法人「東京ヘレン・ケラー協会」(東京都新宿区大久保3)が、有資格の視覚障害者らが働く就労継続支援B型事業所「ヘレン・ケラー治療院 鍼灸・あん摩マッサージ指圧」を開設した。視覚障害のある有資格者が働くB型事業所は都内では初めて。同協会は、有資格者と、施術を準備したり点字名刺を作成したりする視覚障害者を募集している。

 

 同協会は主に中途失明者の自立を支援するため1950年から養成学校「ヘレン・ケラー学院」を運営している。2021年度までに延べ1975人の卒業生・修了生を送り出したが、近年は職種の多様化や少子高齢化によって入学希望者が減少していた。

 

 21年度から新入生の受け入れを停止し、卒業生らが働ける場を確保することにした。学院の実習室や教室の一部を改装して治療院を4月1日に開設。就労継続支援B型事業所は障害者に就労と訓練の機会を提供する場で、働く利用者には出来高制の工賃を支払う。

 

 晴眼者の進出や新型コロナウイルス禍によるリモートワークの普及で企業によるヘルスキーパー(企業内理療師)の採用が減るなど、資格を持つ視覚障害者を取り巻く環境は厳しい状況となっている。同協会の奥村博史理事長は「治療院が一般就労への足がかりや働く場を求める視覚障害者のセーフティーネットになれば」と話す。

 

 治療院で働くには自治体が交付する障害福祉サービス受給者証が必要。問い合わせは同協会(03・3200・0585)。【谷本仁美】