やはり来てしまった…「養鶏王国」に衝撃 宮崎・鳥インフル 封じ込め願う生産者

やはり来てしまった…「養鶏王国」に衝撃 宮崎・鳥インフル 封じ込め願う生産者

 

 「高病原性鳥インフルエンザの疑い事例が出たことは残念だが、しっかり対応していくことが必要だ」。宮崎県日向市で鳥インフルエンザの陽性が確認されたことを受け、30日午後9時から県庁で開かれた対策本部会議で、河野俊嗣知事が厳しい表情を見せた。香川県の養鶏場で鳥インフルエンザの発生が相次ぎ、福岡県などにも拡大したことで、日本一の「養鶏王国」の関係者も当然、警戒を強めていた。それだけに衝撃は大きい。  宮崎県延岡市舞野町で採卵用の鶏約3000羽を飼育する矢野嘉徳さん(54)は「いつか来るのではないかと覚悟はしていたが」と心配そうに話す。福岡県宗像市の養鶏場で鳥インフルエンザが発生した後、鶏舎に石灰をまくなどの対策を取っていた。「ネットを再度点検し、補修をするなど対策を強化したい」  宮崎市で採卵用に約2万羽を飼育する谷本好春さん(73)も「九州の他県でも発生していたのでやはり来てしまった」と嘆く。過去に鳥インフルエンザの被害を受けたことはないが、今年は新型コロナウイルスの影響で売り上げが落ち、鳥インフルエンザまで広がれば「死活問題」になる。「行政には道路を含め、的確に消毒を進めて早く封じ込めてほしい」と訴える。【中里顕、谷由美子】