秋花粉「例年の10倍」…コロナ初期症状と“酷似”

秋花粉「例年の10倍」…コロナ初期症状と“酷似”

 

 小さな花から大量に飛び散る花粉。実は今、河川敷などに生育する野草の花粉の飛散が、ピークを迎えているのです。

 

 多摩川野草会代表・のんさん:「ありました、ありました。オオブタクサという植物になります。すぐ真横にあるのが、ヨモギですね。ヨモギの花は、実は秋の花粉症の原因になる」

 

 特に、キク科のブタクサや、ヨモギ、アサ科のカナムグラは、9月から11月にかけて花粉を飛ばします。

 

 春のスギ花粉と違い、秋は花粉を飛ばす植物の種類が多く、期間が長いのが特徴です。

 

 秋花粉に悩む男性(87):「9月入ると、花粉症がひどくなってね。くしゃみと鼻水ですよ。それがもう、すごいですよ。鼻の周りが、ものすごくかゆくなる。たまらないですね」

 

 SNSから:「秋花粉のアレルギーがあり、薬を飲んでいても症状がひどい日があります「外にいると、鼻かむのでも気を使う」「突然来た、秋花粉に溺れてる。クシャミとまらんー!!」

 

■花粉量「例年の10倍」…なぜ?

 

 しかも、今年は花粉の量に異変が起きているといいます。

 

 「これは例年よりも多い」と話すのは、埼玉大学大学院で花粉の研究を行っている王青躍(オウ・セイヨウ)教授です。

 

 去年と今年の今の時期のブタクサの花粉を比較したものです。今年は、花粉の量が明らかに増えているのが分かります。

 

 埼玉大学大学院・王青躍教授:「例年、大体1平方センチメートルあたり(花粉が)10個から20個なんですけど。今年は10倍高い200個から300個なんですよ。今年は夏が暑くて、台風も少なかった。非常にブタクサとか雑草類の花粉ができやすいシーズンになってました。特別に多かったんです」

 

■コロナ初期症状と“酷似”注意

 

 耳鼻咽喉(いんこう)科には、秋の花粉症に苦しむ患者が増えているといいます。さらに、新型コロナが流行しているなかでの注意点も…。

 

 もちづき耳鼻咽喉科・望月優一郎院長:「秋花粉の患者さん、増えてますよね。コロナの初期症状と見分けがつかない。デルタ株になってからは、“のどの咽頭(いんとう)痛”がメインになってきているので、のどの痛みは新型コロナウイルスの症状でもあるし、秋花粉(の症状)でもあるし」

 

 秋花粉症と新型コロナには、「のどの痛み」という共通の症状があるため、花粉症と勘違いしたまま外出し、新型コロナの感染を拡大させる危険性があるというのです。

 

 もちづき耳鼻咽喉科・望月優一郎院長:「アレルギー反応でも、ちょっと微熱は出ますので。“アレルギーかな?”と言って、医療機関にかからないで、様子を見る方も多いんですけど。やっぱり、この時期なので、“熱”というのがキーワードで。高熱が出ている人は秋花粉(症)ではなく、コロナの感染症が考えられるので。気を付けたほうが、よろしいかと思います」

 

 

(「グッド!モーニング」2021年10月21日放送分より)