重病のリスク回避も…“国民全員に歯科検診”のメリットとは? 医師「歯周病ケアすると手術した人の入院日数が1/4に」

重病のリスク回避も…“国民全員に歯科検診”のメリットとは? 医師「歯周病ケアすると手術した人の入院日数が1/4に」

 

 30歳以上の約8割がかかっているといわれる「歯周病」。予防のための歯科検診を、あなたは受けているだろうか。

 

 厚労省によると、過去1年間に歯科検診を受けた人は、5割ほどにとどまっている。歯周疾患検診の受診率にいたっては、わずか5%。定期的に歯科検診を受けている人は少ないようだ。

 

 こうした中、政府は、国民全員の歯の定期健診の実現に向けて、取り組んでいく方針を明らかにした。

 

 目的は国の医療費を抑えるため。歯の健康を維持することで、他の病気の誘発を抑えることができ、その結果、全体の医療費が抑制されるという。

 

 歯科医師のルカデンタルクリニック院長・小林瑠美さんは、歯科検診の重要性についてこう語る。

 

ルカデンタルクリニック院長・小林瑠美さん

 

「歯周病を持っていると誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)のリスクがあるがきちんとケアすれば4割減らすことができる。歯周病をケアすることで手術した方の入院日数が1/4になると言われている。菌があると全身を巡ってしまうので術後の合併症とかも防ぐことができる」

 

 すべての年齢で、自身の歯を多く残す人ほど、健康を維持しやすく、医療費が低くなるというデータも……。厚労省などは、80歳で自らの歯を20本残す「8020運動」を進めている。

 

 実際、多くの歯を維持している高齢女性は「素晴らしい歯だから、100歳まで生きられると医者に言われた。何でも食べられるでしょ。この間も鋸山、娘が連れて行ってくれて登ってきました」と明かした。

 

 一方、別の高齢女性は「歯のある友人が羨ましい」と話す。

 

「(20本自分の歯がある)友達がいます。羨ましいです。ある人は、歯が丈夫な人は認知症にならない」(74歳女性)

 

 歯の病気を放置することは、他の病気を誘発する恐れもあると小林さんは明かす。

 

「歯周病菌が全身を巡ることで、脳梗塞や心筋梗塞とか循環器のリスクも高まる」

 

 思わぬ病気の併発を防ぐためにも、半年に一度は検診を受け、歯を健康に保ってほしいという。(『ABEMAヒルズ』より)