薬開発に適したアルツハイマー病モデルマウス開発 - AMEDが理研研究グループの成果発表
日本医療研究開発機構(AMED)はこのほど、理化学研究所(理研)の共同研究グループが、アルツハイマー病(AD)の初期病理のアミロイドβペプチド(Aβ)の蓄積を再現し、ADの予防・治療効果が期待される薬剤の「βセクレターゼ阻害剤」の効果を正しく評価できるADモデルマウスの開発に成功したと発表した。【新井哉】
理研脳神経科学研究センター神経老化制御研究チームの綿村直人研究員、西道隆臣チームリーダー、笹栗弘貴副チームリーダーらの共同研究グループは、ゲノム編集技術のCRISPR/Cas9を利用し、3つの遺伝子変異を持つ既存のADモデルマウスからスウェーデン変異だけを取り除いたADモデルマウス(AppG-Fマウス)を作製した。
AppG-Fマウスでは、アミロイド病理や、それに付随する神経炎症が再現されており、βセクレターゼ阻害薬の効果を正確に評価できるという。また、脳の神経細胞でADに特徴的なエンドソーム異常が起きており、「ADの細胞病態解明にも応用可能」としている。この研究の成果は、科学雑誌「Science Advances」オンライン版に掲載された。
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