夏休み明けも注意…「午前中だるい」「朝起きられない」は病気の可能性 思春期に多い起立性調節障害

夏休み明けも注意…「午前中だるい」「朝起きられない」は病気の可能性 思春期に多い起立性調節障害

 

 

 思春期の子どもに多く、朝起きられない、午前中に頭痛や立ちくらみが強くするなどの症状が出る「起立性調節障害(OD)」。午後から夜になると症状が改善するという特徴から「サボっている」「怠けている」と誤解され、さらに調子が悪化することも。長期化して不登校につながる場合も多く、当事者だけでなく、先が見通せない不安を抱えて苦しむ親もいる。専門医は「ODは体の病気。本人と周囲の人が病態について理解し、不安や誤解をなくすことが大切」と訴える。

 

 ODの治療を行う大阪医科薬科大学病院小児科の吉田誠司医師に解説してもらった。ODは、自律神経のバランスが乱れることで、起立時の血圧を維持する働きに問題が生じ、起立中に血圧が下がって脳への血流が低下したり、脈拍が過剰に上がったりすることで症状が出る。日本小児心身医学会によると、軽症を含め小学生の約5%、中学生の約10%でみられ、女子は男子の1・5~2倍だ。

 

 症状は頭痛やめまい、だるさ、立ちくらみ、動悸、睡眠障害、朝起きられないなど。これらの症状が原因で不登校になってしまうこともある。午前中に特に強い、暑い時期に悪化する、雨が降る前など気圧変化で悪化する、といったことがあればODが疑われる。うつ病と似ている症状もあるが、うつ病と違い、午前中に強く、その後徐々に改善していくという日内変動がみられる。

 

 ODの改善には、自律神経のバランスを整える必要がある。水分と塩分をしっかり摂取して血圧を安定させ、規則正しい生活やストレス発散することが大事だ。その上で、薬物療法を行うとより効果的だという。そして、吉田医師は「子どもが孤立しないように家族や友だちがODを理解し関わることが大切」と呼び掛けた。

 

親同士で悩みを共有できる場に…福井県に親の会発足

 ODの子どもをもつ福井県坂井市の女性がこのほど、親同士が相談や情報交換する「親の会」を県内で初めて立ち上げた。「親が元気でないと子どもは元気にならない」と会への参加を呼び掛ける。

 

 福井新聞の調査報道「ふくい特報班」(通称・ふく特)に女性からメッセージが寄せられた。

 

 女性の中学3年の息子は、小学4年の秋に症状が出始めた。いろいろなスポーツに打ち込む活発な少年だったが、頭痛から始まり、だんだん朝起きられなくなり、学校にも通えなくなった。6年の時に症状が治まり学校にも通えるようになったが、中学1年秋に再発。現在は、学校の理解もあり、普段は自宅で自主学習し、体調が良い時、定期考査や学校行事がある時に登校する生活を送っている。

 

 ODの子どもは「サボっている」「怠けている」と誤解されやすく、関係が険悪になる親子も多い。子どもの将来を心配するあまりうつ病になる親もいるという。女性の場合は「子どもを信じていた」とできること、やりたいことを尊重し、無理に登校させることはしなかった。「一番つらく思っているのは、学校に行きたくても行けない子ども。体の病気なのだから親が一番理解してあげないといけない」と語る。

 

 ただ、身近にODに詳しい人がいなかったため、病気のことは自らインターネットなどで調べなければならなかった。親同士で情報交換や悩みを共有できないことがつらかった。

 

 「福井にも親の会を」と思っていたところ、知人から「ODの小学生の母親が毎朝子どもとバトルして心が折れそうになっている」と聞いた。「つらく思っているお母さんはたくさんいるはず。みんなでつながって情報交換したい」と親の会立ち上げを決めた。

 

 まずは親同士のつながりをつくり、来春から本格始動していく。将来的には、月例会や専門家を招いた勉強会を開くことを考えている。女性は「病気への理解を深めながら、親が元気になれる会にしていきたい」と力を込めた。

 

 問い合わせは、親の会のインスタグラム(「起立性調節障害 福井親の会」で検索)から。